ベーシックなデザインの革靴 ② shoes for father in law –

 

靴と小物と教室の小さな革工房 アトリエわっか

只今1足の靴が作られています

 

それは…

 

義父の為に作り始めた靴

 

できるだけシンプルに、そしてベーシックなデザインの靴を…

と思い作り始めた外羽の短靴

 

つり込みの工程まで終わった横顔は

なんだか落ち着いているようにも見えます…

妄想ですが…

 

ここからいつもなら本底をつけていくのですが

今回のこの靴はウェルトという細革をぐるっと縫い付けていきます

 

ハンドソーンウェルテッド製法と呼ばれる製法です

 

一目一目手で穴をあけては縫いあけては縫うという

非常に手間暇のかかる工程なんですが、

より長く履いてもらえる靴になりうる 靴の作り方です

釘のみでつり込まれた底面に

打ち込んだ釘を抜きながらウェルトを縫い合わせていくと…

 

ぐるっと細い革が縫い付けられた状態になりました

 

一目一目気持ちを込めて紡いでいくこの工程…

とても大変なんですが、どこか清々しい気持ちにさせてくれる

そんな工程でもあります 個人的な感想です…

そして最後に残った糸を

チョキン と切って、片足の出来上がりです。

これをもう片足繰り返して…

 

終わった頃の机の上は…

針と糸と指サックと…

いろんなものが散乱します

こうして1つの工程を経た靴は、次の工程へ…

底付けの工程です

両足とも底革を付けては切っては整え、

切り終わる頃 足元には革の山ができています

つり込みされた状態から、ウェルトと底がつき、

一歩一歩「靴」の姿に近づいてきましたが

完成までにはまだ色んな工程が残っています

 

明石の片隅でコツコツと進めている靴作り

 

人のことを想い 手づくりで生み出されるモノは

きっと気持ちが宿っています

 

履いてくれる方を想い、イメージしながら

完成までの工程を、1つ1つの丁寧に紡いでいきます

 

つづく