サイドゴアのアンクルブーツを作る … ③

わっかのロゴが目印の アトリエ わっか   明石の片隅にある革工房です

 

手づくりの革靴を中心に革小物も作っているアトリエでは

 

新しい靴

 

サイドゴアブーツの制作も終盤にさしかかってきました

 

 

底が縫われた状態から、開いた部分を元にもどして …

 

ハチマキと呼ばれている細革を踵部分に付けていきます

 

これはヒールを付ける前に傾斜を整える革

 

なるべく踵の部分を平らの状態に施してから

いちまい一枚 ヒールとなる革を付けては切って、

付けては切ってと、整えていきます

 

一段一段、踵部にヒールとなる革を積み上げていき …

 

最後のトップリフト(地面に接地するところ)は

アトリエわっかでは ゴムorゴムと革で形成されているヒールを使っています

 

今回はすり減りにくく、滑りにくい強化ゴムを使用しました

「減りにくいゴム」 …  だけあって

やっぱり革よりも硬いんです

 

それでも、革を切るときと同様に 革包丁を使用して

切り整えていきます

 

そして …

 

両足ともに ある程度整いました

 

ここから包丁だけではなだらかにしきれなかった部分を

ヤスリを使ってキレイなラインに整えていくと

 

この状態に…

写真には写りきっていなかったわずかながたつきも

本底、ヒール共になだらかな状態になりました

 

ここまで施せば、「靴」としてもう履ける状態 …

 

なんですが、

 

ここから、この整えた底まわりに化粧を施します

 

この靴はアッパーで使用した革の色がマットブラックだったので

それに合わせて底回りも同様に黒にしました

ツヤ感をださないように加工していくと …

 

黒一色で統一された

引き締まった印象の革靴ができあがりました

 

後は木型を抜いて、中敷を敷けば完成です

 

まもなく履ける 新しい靴

 

アトリエわっかのアンクルブーツ

 

次回で完結です

 

つづく

サイドゴアのアンクルブーツを作る … ②

明石の片隅にある 靴と小物と教室の革工房  アトリエわっか

工房ではただいま  新しい靴  を制作中です

 

作っているのは 両サイドに大き目のゴムがついた サイドゴアブーツ

 

平べったい一枚の革が徐々に立体になっていく様は

自分で作っていながらも

時折、不思議な感覚になります

 

一枚の革を裁断し

立体に縫製された革を

足型の木型に添わせて …

 

ここから底を付けていきます

 

アトリエわっかでは

基本的に底材は革底を使用しています

 

それは機械でくり抜いたものを

ただただ貼りつけているのではなく

大きめに裁った革底を

すべて手作業で切り整えています

 

もちろん 同じサイズ 同じデザイン のものでも

100%同じものは生み出せないけど

一足一足、それぞれの靴に想いを込めて作ることができるので

基本的に革底を使用しています

 

そして 底付けが終わった姿がコチラです

より靴らしいフォルムになりました

ここから底革を薄くめくって

底を縫うところに目印の溝を掘ります

ペロっとひとかわ剥いているのは

底を縫った後に縫った糸を隠せるようにする為です

 

縫った糸を隠すことによって

革底のまま履いても糸が切れにくくなります

 

そして …

縫い終わったらこのような姿になります

溝が掘られていた部分に

チクチクチクと糸目が見えます

この太い糸で本底と中底と甲革をまとめて縫い合わせています

ここから靴作りも後半戦

まだまだ工程は続きますが

 

もうすぐ もうすぐ 履けるように …

 

足をいれるのが待ち遠しい 新しい靴

 

アトリエわっかのサイドゴアブーツ

 

つづく

 

サイドゴアのアンクルブーツを作る … ①

靴と小物と教室の革工房 アトリエわっか

明石の片隅にあるアトリエでは

初秋の頃から新しい靴を作り始めました

 

1足1足、ひとつひとつの工程を手仕事で作っている

アトリエわっかの 革靴

 

新しく作り始めたのは

アンクル丈のサイドゴアブーツ

 

ぼんやりと頭の中にあったデザインを型紙におこし

何度かの修正を経て …

 

縫製が終わった後の姿がコチラです

 

立体に縫製はされていますが、

まだまだペタっとした姿

 

マットに見える本体に使用している表革はヌバックの黒色

つま先とタブには別の種類の黒い革の裏側を見えるようにしています

 

この状態から木型に つり込み という工程を経て

徐々に「靴」へとカタチを変えていきます

 

このブーツに使用した木型は karoo という靴と同じ木型

少し細身で丸いつま先の木型です

 

そして、つり込みされた後の姿が コチラです …

 

 

大きめの両サイドのゴムと

履き口の前と後ろの輪っかと

つま先の被せが特徴的な立体的な姿へと変化しました

 

 「早く履ける状態にしたい…」

 

新しい靴を作るときはいつもそう思いますが、

 

一朝一夕でちゃんとした完成品を作るのは

手づくりでは少し無理があります …

完成までの工程が多いという技術的なことや、

しっかりと革が木型に形成するまで時間がかかるという物理的な要素もあり

手製靴は すぐには完成させて履くことができません

 

 

じれったい気持ちを抑えつつ…

 

この姿で革が木型に馴染むまで

 

少しの間、おやすみなさい…。

 

つづく

 

メンズサイズの koala という名前の革靴 ② ( 完成編 )

神戸と姫路の真ん中あたり …

明石の片隅にある 手づくりの 靴と小物と教室の革工房

 「アトリエわっか」

 

アトリエでは前回のBlogで制作中だった

koala( コアラ ) という名前の革靴が完成しました

 

木型を抜いて中敷を敷いた後に少し加工を施して

クタっとした雰囲気に仕上げました

 

傷や皺をわざと取り入れたアッパー(甲革)・中敷・ソール ともに

すべてブラック一色で統一した

カジュアル靴だけど 大人っぽい雰囲気も併せ持つ

スリッポンタイプの革靴です

 

自分用にと作った この koala という靴

早速履いてみました …

 

前・横・後ろ

 

浅めの靴下と合わせて履いてみました

当たり前ですがスポッと履けて

ピッタリサイズに合わせているのでなかなかのフィット感でした

 

見た目もスッキリとしたシルエットで、

春から初秋までは浅い靴下と合わせて …

 

もう少し涼しくなるとベースが黒なので

色物の靴下と合わせてもしっくりきそうです

 

 

男性が履くには好き嫌いがハッキリしそうな革靴ですが

個人的にはシックリとくる革靴になりました

 

男子目線で作った女性の為のスリッポン

小さいサイズから大きいサイズまで展開しています

 

少し華奢なシルエットの このkoalaという革靴

ぜひ一度お試しくださいー

 

メンズサイズの koala という名前の革靴 ①

 ” アトリエわっか “

明石の片隅にある 靴と小物と教室の革工房です

 

ここで以前作られた革靴 … koala (コアラ)という名前の革靴

 

オーダー品として生まれたこの靴でしたが

やっぱり自分の足でも履き心地を確かめたいと思い

 

自分で履けるサイズの koala を作り始めました

 

“アトリエわっか” は手づくりで1点1点作っているいるアトリエです

 

一枚の革を基本的にはすべて使用し、

天然物である革を使っているということもあり

傷や皺、ピンホールなどの跡も革の個性と考えています

 

なのでサンプルや1点モノの革小物には

そういった部位の革を使用して作ることもあるのですが

 

今回は自分で履く用の靴…

 

更に普通のオーダーでは基本使わないような

大きな傷や大きな皺の部位をあえて選定し

縫製しました

 

同じ一枚の革から裁った 違う表情をした革の部分

このアッパー(甲革)を靴にしていきます

 

 

木型に添わせた中底を加工し

縫製されたアッパーをつり込んでいく…

 

すると靴のフォルムが見えてきます…

 

 

元々は女性に履いて貰う為に考えたデザインの靴の ” koala ” という靴

 

メンズの革靴ではありそうで なかなかないフォルム

そんな靴になりそうな気がします…

 

あとはここから底を付けて、

ヒールを積み上げて…。

 

 

まもなく完成

” koala ” という名前の革靴

 

つづく

新色できました … stomp という名前の革靴

明石の片隅にある

靴と小物と教室の革工房 アトリエわっか

 

オーダー品や革小物、お店用のサンプルなど

日々いろいろと手づくりで制作しています

 

今日ご紹介するのは以前からあった革靴 …  stomp(ストンプ)

この靴の新しいサンプルが出来上がりました

 

今までのアトリエわっかのサンプルは

基本的にワントーンのものばかりでしたが

この新しく作った秋色のサンプルは

ブラウンとベージュのバイカラー

 

秋色だけど重たくなりすぎない

服との合わせ方で通年通して履いてもらえるカラーリングのものになりました

 

また、靴紐に使っているロー引き紐も

つま先とカカトの色に合わせてベージュにしているので

重すぎない雰囲気に仕上げました

 

逆にブラウンやブラックなどの暗い色味の紐に変えるだけでも

今よりも締まった雰囲気を楽しめるようになっています

 

横からみるとこの雰囲気です…

 

つま先と踵は二層になっていますが

本体部分は一枚革

 

表革だけで裏革は使用していないので足に馴染みやすく

素足で履いても足当たりのよい

普段履きに使いやすいライトな革靴になっています

 

かしこまった時に履くような革靴ではなく

普段から気軽に履く スニーカーのような感覚で履いて貰えるようにと

想いを込めて作った革靴です

 

秋色の stomp

 

アトリエに並べておりますので

お近くにお越しの際はお気軽にお越しください

 

贈り物にいかがですか? お店に並べるファーストシューズ ( 完成編 )

 

神戸と姫路の真ん中あたりにある明石市

その片隅にある 小さな革工房  アトリエわっか

 

ここでは手づくり靴をメインに制作しています

 

そんな工房で作り進めていたのが 小さなちいさな革靴

赤ちゃんの為のファーストシューズです

 

11㎝の小さな木型に添わせていたクツ

もうそろそろ完成です

 

木型を抜いて、

最後に中敷を敷いたら … 完成です

 

中敷になる革の下には

クッション性の高い低反発のスポンジのような素材を重ねています

 

少しでも履き心地が良いようにと

このような仕様にしました

 

そして、出来上がった靴がこちらです

 

 

アッパーはミシン縫いと手縫いを使い分けて行い

タンの部分だけは手縫いを施し

ステッチがアクセントになるように施しました

 

靴の周りのぐるっと1周は

手縫いでステッチダウンのようにし

しっかりと縫い合わせています

 

そして、少し太めのワンストラップは

ビリっと剥がれるマジックテープになっています

 

甲の部分も広めにあけているので

きっと 脱ぎ履きさせやすいと思います

 

踵の切り返しの部分は足当たりの良いように

柔らかいスポンジを忍ばせて …

 

 

大事な人への贈り物に …

 

ご自身のお子様へのプレゼントに …

 

是非、贈って頂きたい 赤ちゃんの革靴 の完成です

 

 

そして、

今までご紹介してきたものの色違いも続けて作りました

 

こちらはピンクベージュのような色味の革を使用しています

キャメルのものよりも少し柔らかい質感になっているので

 

イメージとしては …

キャメルは男の子

ピンクベージュは女の子

 

という感じでしょうか?

 

でも、お好みでどちらの色味でも きっと可愛くなると思います

 

 

ふたつ並べて見るとこのような感じです

 

比べてみると

好みが分かれそうなこの2色

 

今のところ現品限りの商品になっています

近々webでの販売もできるようにしたいと思いますので

気になられた方はどうぞお気軽にお問合せください

 

大事な方へのプレゼントに …

赤ちゃんへ 贈る革靴

 

できあがりました

贈り物にいかがですか? お店に並べるファーストシューズ ②

明石の片隅にある 小さなちいさな革工房

 アトリエわっか

ここでは靴を中心に 手づくりの革製品を制作しています

 

今日は前回の続き

 

小さな靴 ファーストシューズのお話です

 

 

ぐるっと1周に手縫いを施したこの小さな靴

 

ここから、このカッパのように広がっている部分を整えていきます

 

革包丁を使い

いい具合まで切り揃えて

ヤスリで表面を整えます

 

大人の靴と違って

ぐるりの距離は短いんですが

小さな木型なので しっかり固定しにくかったりもします

足と手を駆使して持ちながら

整えて、

底面にはアッパー材を貼り合わせると …

 

 

小さな革靴の姿になりました

 

ファーストシューズはゴム底のものも多いですが

底材もすべて革を使用して作りました

 

科学的な難しいことはわかりませんが

その方が汗をかきやすい赤ちゃんの靴なので

足が蒸れて気持ち悪くならなかったりするんじゃないかな?! と思います

それに、しっかり歩行する前の小さなお子さんに

履かせてあげてもらいたいと思ってこの靴を作ったので

このような仕様になっています

 

ベビーカーに乗せている際の 足の保護であったり

冬場など寒い時期の足の保温

または 履かせて写真を撮る … などなど

 

まだしっかり歩く前の子供の為に作った革靴です

底には表革に使用した革の裏(毛羽立っている方)

が見えるように貼りつけています

 

これでほぼ完成ですが…

ここから革が木型に馴染むまでしばらく寝かせます

 

小さな靴ですが時間も手間も惜しまずかけた1足になりました

 

もうすぐ完成

小さな靴の贈り物…

 

 

つづく

贈り物にいかがですか? お店に並べるファーストシューズ ①

明石の片隅にある 靴と小物と教室の革工房  アトリエわっか

 

小さなちいさな工房では すべての商品を手づくりで制作しています

 

大人が履くための革靴がメインですが…

 

今日ご紹介するのは もっともっと小さいサイズ

 

小さいちいさい 赤ちゃんの為に作ったファーストシューズのお話です

 

 

手縫いとミシンで縫製されたファーストシューズのアッパー部

 

以前、オーダーを受けて作らせて頂いたデザインと同じですが

今回は使う革を変えて作りました

濃くもなく薄くもないキャメル色の革を使って

仕様はワンストラップのマジックテープで履き口を開閉するようになっています

紐靴にするほうが雰囲気的にもきっと可愛く仕上がるのですが …

 

ここは履かせやすさと履き心地を考慮して

あえてマジックテープの仕様にしています

 

そしてこの出来上がったアッパーを

小さな11㎝の木型に添わせていきます …

 

作り方は大人の靴とほぼ同じ

 

釘を使って

コンコンコン

と木型につり込みをして…

しばらく型に革を馴染ませます

 

それから底を付けていくのですが、

ここからは他のアトリエわっかの靴とは違う製法で作っています

 

つり込みをしたアッパーを まるでカッパのように広げて固定し

ミッドソール用の革と縫い合わせていきます

ステッチダウンの様な作り方を簡易化したような作りにしました

 

あらかじめ穴を開けておいたところを

 

  チクチクチクチク … と

 

一目一目手縫いを施して

 

ぐるっと一周回ったら …

 

ステッチダウン?!の完成です

 

とはいえ見た目はステッチが入ったカッパのまま…

 

完成まではまだもう少しかかります

 

つづく

嫁いでいった ミドリ色の “rogue” という名前の革靴

神戸と姫路の真ん中あたり…

明石の片隅にある 靴と小物と教室の革工房 アトリエわっか

 

今日は先日 嫁いでいった緑色の革を使った靴のお話です

 

 

 

アトリエのサンプルとして作っていた rogue (ローグ 27.0cm

 

ありそうで あまり見かけない 緑色の革を使って作っていた

淡い色味の革靴です

 

前々からこの靴を気にしてくださっていたお客様が

アトリエに遊びに来てくれました

2度目のご来店で、

以前来られた時は制作途中だった緑色の rogue

 

今回は完成していたサンプルを 早速試し履きしていただきました

 

紐穴の数が片足10個もある rogue という革靴

ピッタリのサイズ感で合わせるには最初の微調整は欠かせません

 

足に合うように紐の締め具合を調節しておくと…

面倒にみえる脱ぎ履きですが

上の紐をほどくだけで脱ぎ履きができるようになります

そして ピッタリに合わせて履いてみると…

ぽてっとしたつま先が特徴的な rogue の着用完了です

 

アースカラーのパンツにも合っていて

雰囲気のあるスタイリングでした

 

試し履きしつつお話していると…

数分間で元々履いてきていたような感覚になるほどしっくりきていました

 

似合っているなぁ と思いつつ何気ない話を続けていると

 

「これもらって帰ります!」

 

「?! ありがとうございます?!」

 

という急展開に…。

 

よくよく話してみると、

元々買うつもりで来てくれていたようで …

そんな様子に気づかなかった僕が鈍感なのかもしれませんが … 苦笑

 

記念に1枚 しっかりした写真も撮らせていただきました

急な展開でこちらとしては少しビックリでしたが、

 

気にいってもらえて

そして 履きこなしてもらえていて

作り手としては とても嬉しかったです

 

大事にたくさん履いて貰えたら幸いです

できるだけ長く履けるようリペアも致しますので

またいつでも遊びにいらしてください

 

小さなちいさなアトリエでお待ちしています

 

ありがとうございました!