クロとミドリの “rogue” という革靴 ②

明石市 … 神戸と姫路のちょうど真ん中くらいにある子午線もある町

そんな明石の片隅にある 小さな革工房のアトリエわっか

 

いま作っているのは 黒と緑の革を使った “rogue ( ローグ)” という名前の革靴です

 

前回の続きで「つりこみ」という工程の 次に行うのは

 

底付けと呼ばれる工程

名前の通り靴の底を付ける工程です

 

大きめに裁った本底用の革を貼り付け、切り整えると …

 

 

革底が付くことによって、より靴らしいフォルムへと変化しました

 

取って付けたように同じようなカタチをしている革底ですが

右も左も手作業で切り整えています

靴の周りに落ちているのが整える時に切り落とした余分な部分

 

なので 左右100%同じ とまではいきませんが

できる限り同じになるように整えています

 

そして、形が決まったら…

 

革底をヒトカワめくって溝を掘ります

この溝の目印にして底を縫い合わせていきます

 

縫った糸を隠せるように

革底のまま履いても糸が切れにくいように

 

そんな工夫が施されています

 

底縫いが終わると、このように元に戻します

 

カカトの部分には何やら見慣れないものが…

 

これは「ハチマキ」という細革で

ヒールを平らに積み上げていく土台になっています

 

ここに一枚いちまいヒールを付けていきます

 

いよいよ制作も後半戦…

クロとミドリのrogueという名前の革靴

もう少しで完成です…

つづく

クロとミドリの “rogue” という革靴 ①

明石の片隅にある革工房

靴と小物と教室の アトリエわっか では

今日もコツコツと靴作りをしています

 

“小さな靴” の次に作り始めたのは

黒と緑の色の革を使用した “rogue” という名前の靴です

 

ポコっとしたつま先と 10個もの紐穴が特徴的な “rogue” という靴

 

クロい方はオーダー品、ミドリの方はサンプルとして作り始めました

 

まずは裁断…

 

型紙通りに革を手裁ちしていきます

大事なしるしは銀ペンで書き入れて …

そして、縫製へ … 。

 

トコトコトコトコ・・・

 

 

ミシンを使って縫い合わせると…..

 

黒と緑の革を使った “rogue” のアッパーが出来上がりました

 

オーダー頂いた黒い革の方の裏革はヌメのベージュ …

緑の革のサンプルの方の裏革は黒 …

実は表革も大事ですが、裏革の色の使い方でも雰囲気はかなり変わってきます

 

個人的にはキュッと締まった雰囲気の “黒い裏革” が好きですが

色移りが気になる方はヌメの方が使いやすいと思います

 

ここから木型に添わせた中底を加工して

“つりこみ” と呼ばれる工程です

 

 

縫製されたアッパーに紐を通し

中底を付けられた木型に添わせていくと…

 

 

キュッと木型に添った状態に …

 

デザインはシンプルにまとめていてパーツは少ないものの

特徴的なフォルムの靴 … に近づきました

 

つり込む前の ほわーん とした雰囲気と

つり込んだ後の キュッ とした雰囲気とでは

 

明らかに違う表情になる 靴作り …

 

靴作り前半の 目に見える

カタチの変化の多さも作っていて楽しいところです

 

クロとミドリの “rogue”という革靴

ここから徐々に “靴” になっていきます …

つづく。

ファーストシューズの贈り物 ② <完成編>

明石にある 靴と小物と教室の小さな革工房

アトリエわっか で作っていた 小さなちいさな1足の靴

 

11㎝の小さな靴が完成しました

 

出産祝いの贈り物

ファーストシューズの贈り物

 

として オーダーを頂いていた1足の 小さな革靴

アッパー部分や中底も本底も すべて革で作りました

もちろん普段作っているような大人の靴に使用する材料とは少し違います

 

柔らかい質感のアッパー材に

中底や本底も柔らかい部分を使用しています

 

外をトコトコ歩く為の靴ではなく、

ベビーカーに乗せている時に足を保護することに使ってもらうことを

イメージして作りました

脱ぎ履きにはワンストラップのマジックテープ仕様にし

親も子供もお互いにストレスが少ないように…

踵の擦れやすい部分にはポコっとスポンジを入れ込んで

足当たりが優しくなるように…

 

と、色々と履かされる子供と履かせる親のことを考えて、

 

自分でも 「こんなのがあったら履かせてあげたいなー」

というカタチの靴に仕上がりました

 

ファーストシューズの贈り物

小さなちいさな1足の革靴

 

出来上がりです

 

贈る方も贈られる方も笑顔になってもらえれば嬉しいです

ありがとうございました

ファーストシューズの贈り物 ①

明石の片隅にある小さなちいさな靴と小物と教室の革工房

「アトリエわっか」では、小さなちいさな1足の靴の制作にとりかかりました

 

「友人の出産祝いにファーストシューズを贈りたい」

というオーダーを頂き 作り始めることになりました

 

小さなちいさな靴

11㎝の小さな靴

 

自分の子供にも何足か作っていましたが

見た目と雰囲気だけを考えて作っては 、

結局履かせにくかったりして、イマイチ使えなかった経験がありました…

 

そこで、経験を踏まえて考えて作ったのが

ビリっとマジックテープのデザインです

脱ぎ履きをさせやすいように

少し太めのワンストラップのデザインにし

柔らかい触感の革を選び、

履かされている時の赤ちゃんの気持ちをできるだけ考え …

少しでも履いているストレスを少なくできるかな?!  と思い、

踵の部分にはスポンジを忍ばせて …

出来上がったのがこのデザインです

 

そして、小さな木型に添わせていくと…

 

近くで見るとなんだか貫禄のある雰囲気に…

 

ここから底を付けて、

ステッチダウンでぐるっと1周 手縫いを施して

仕上げに底を整えると…

子供が履くと、きっと… 可愛いシルエットになりました

あとは、このまま少し寝かせて

革が木型に馴染むのを待ちます  …

 

中敷には低反発のスポンジも取り付けているので

おそらく足にも優しいハズ…

 

一親の経験と、色んなケースをイメージして作った靴

小さなちいさな赤ちゃんの為のファーストシューズ

 

もうすぐ完成です

 

つづく

小さな箱に詰め込んだ、想いを込めて作った靴 …

明石の片隅にある 靴と小物と教室の革工房 アトリエわっか

 

今日はオーダーをいただいていた靴のお渡しの日 …

その靴の名前はrogue( ローグ)

ポコっとしたつま先と10コもあるアイレットが特徴的な革靴です

 

履いてくれる人のことを想い

大事に 長くながく 履いて貰えるよう …

気持ちを込めて作った1足の靴

 

小さな箱にいろんな想いを詰め込んで…

 

いよいよお渡しの日

 

なんだかソワソワする …

そんな親心の中、試着していただきました

紺色の柔らかい質感と少し大人の雰囲気を合わせ持つレザーを

使用して作られた rogue という靴

可愛くもあり、大人っぽさもある雰囲気で

デニムとの相性も良好でした

こうして履いてもらっている姿を見ると

なんだか靴がイキイキしているような気がします

 

靴だけの写真よりも、靴が喜んでいるような …

親心のせいかもしれませんが…

 

色んな想いを詰め込んで出来上がった1足の靴

rogueという靴に想いを詰め込んでカタチにしました

 

嬉しい時も、悲しい時も

楽しい日も、つまらない日も

足元で支えてくれる1足になれればと思います

 

これからたくさん 色んな所に履いていってもらえたら嬉しいです

いつでもリペアもしますので

靴と一緒に、またふらりと遊びにいらしてください

 

ありがとうございました!

ベーシックなデザインの革靴 ④(完成編) shoes for father in law –

兵庫県は姫路と神戸の間にある町…明石の片隅にある

靴と小物と教室の小さな革工房 アトリエわっか

 

工房で長い期間 コツコツ と作り進めていた1足の靴

外羽のベーシックなデザインで

ハンドソーンウェルテッド製法で作られたこの靴は

 

義父の為に作り始めた革靴

 

足型だけ取らせてもらい、サイズ・デザインはおまかせで作らせていただきました。

 

使用したレザーは濃茶のオイルレザー

しっとりと柔らかい質感のレザーを使い

履きやすさと、経年変化も楽しんでもらえることをイメージして選びました。

 

そして … 出来上がった靴がこちらです

横幅が広い足の個性に合うように

ポコっとしたつま先が特徴的な幅広の木型を使用し、

なるべくどんな服装にも合わせやすいよう

甲の高さも調整しやすいよう

シンプルでベーシックな外羽のデザインにしました。

履き手のことを想いながら

時間をかけて作った1足の靴

 

まだまだ始めたばかりの

小さなちいさな工房ですが

その分1足1足、すべての靴や小物たちは

手づくりで 気持ちを込めて作っています。

 

 

喜んでくれるかな?

 

そんなことを特に強く想って作った

義父の為の革靴

同じ顔のものは2つとない 1足の革靴

アトリエわっかの靴

気持ちをこめて作った靴を

ながくながく、たくさん履いてもらえていたら嬉しいです

作る機会をいただき 本当にありがとうございました。

ベーシックなデザインの革靴 ③ shoes for father in law –

アトリエわっかの 靴 作り

基本的に縫製以外の工程はすべて手作業で作っています。

今作っている靴もそのひとつ

 

義父の為に作り始めたくつ

 

なるべくシンプルに ベーシックなデザインになるよう

作り進めてきた1足の靴も そろそろ後半戦です

 

底が付けられた状態から次に行うのは

出し縫いと呼ばれる工程

 

踵付近からグルと半周、出っ張った部分のウェルトと本底を縫い合わせていく という工程です

 

この工程は外注さんにお願いすることもできるのですが

今回はできる限り自分の手で作りあげたいという想いから

手作業でおこないました

ひと革めくった所に溝を掘り

そこに目掛けて穴を開け、

一針一針縫っていく…

 

なかなか気の遠くなるような工程でしたが

やっぱりやり始めると…

 

楽しい…

 

そんな想いの方が強かったです  靴作りバカなのかもしれません…

 

チクチクチクと 気持ちを込めて縫い合わせた靴に

ヒールを一枚いちまい積み上げて…

 

 

切り整えられた底回り

ここからロウとコテを使って仕上げの工程を経ると…

 

少し引き締まった様子の 大人の色気がある雰囲気に…

 

明石の片隅で コツコツ と作り進めた1足の革靴も

あとは木型を抜き 中敷と靴紐を通して完成です

 

気に入ってくれるかな…?!

 

そんなことも思いながら 履き手の顔を想い浮かべて作った1足

 

次回で完成です

つづく。

ベーシックなデザインの革靴 ② shoes for father in law –

 

靴と小物と教室の小さな革工房 アトリエわっか

只今1足の靴が作られています

 

それは…

 

義父の為に作り始めた靴

 

できるだけシンプルに、そしてベーシックなデザインの靴を…

と思い作り始めた外羽の短靴

 

つり込みの工程まで終わった横顔は

なんだか落ち着いているようにも見えます…

妄想ですが…

 

ここからいつもなら本底をつけていくのですが

今回のこの靴はウェルトという細革をぐるっと縫い付けていきます

 

ハンドソーンウェルテッド製法と呼ばれる製法です

 

一目一目手で穴をあけては縫いあけては縫うという

非常に手間暇のかかる工程なんですが、

より長く履いてもらえる靴になりうる 靴の作り方です

釘のみでつり込まれた底面に

打ち込んだ釘を抜きながらウェルトを縫い合わせていくと…

 

ぐるっと細い革が縫い付けられた状態になりました

 

一目一目気持ちを込めて紡いでいくこの工程…

とても大変なんですが、どこか清々しい気持ちにさせてくれる

そんな工程でもあります 個人的な感想です…

そして最後に残った糸を

チョキン と切って、片足の出来上がりです。

これをもう片足繰り返して…

 

終わった頃の机の上は…

針と糸と指サックと…

いろんなものが散乱します

こうして1つの工程を経た靴は、次の工程へ…

底付けの工程です

両足とも底革を付けては切っては整え、

切り終わる頃 足元には革の山ができています

つり込みされた状態から、ウェルトと底がつき、

一歩一歩「靴」の姿に近づいてきましたが

完成までにはまだ色んな工程が残っています

 

明石の片隅でコツコツと進めている靴作り

 

人のことを想い 手づくりで生み出されるモノは

きっと気持ちが宿っています

 

履いてくれる方を想い、イメージしながら

完成までの工程を、1つ1つの丁寧に紡いでいきます

 

つづく

ベーシックなデザインの革靴 ① shoes for father in law –

兵庫県は明石市を拠点に活動している

靴と小物と教室の小さな革工房  アトリエわっか

 

アトリエでは新たに1足の靴を作り始めました

 

型紙から切り始め、

出来上がったアッパー…

 

見た目通り一般的なデザインの外羽の短靴です

まるで教科書通り のような型紙を切ったことはありませんでしたが

 

義父に履いてもらう靴を作る

 

という1つの想いが きっかけとなって作り始めた靴だったので

今回はあえて普通にこだわったデザインにしました

幅広の足が特徴的だったので、なるべく足に合うように

rogueやwoopで使用している幅広の木型を採用し

中底を加工…

 

今回の靴はハンドソーンウエルテッドの10分仕立ての予定なので

中底には溝をあらかじめに掘っています

そして、つり込みを施していきます…

 

右足… ひだりあし…

 

と順番に添わしていくと

木型に添わされた状態に…

ベーシックなデザインの型紙でしたが

特徴的な木型を使用しているので、個性的なフォルムになりました

マッケイ製法で作っている靴は糊で仮止めしますが

今回のこの靴はここからウェルトを付けていくので

すべて釘だけでつり込みを施しました

 

 

まだまだ続く靴作り

気持ちを込めてつくります

カジュアルに履ける革靴 … stompという名前の靴 ③(完成編)

明石の片隅にある アトリエわっか

靴と革小物と教室の小さな手づくり革工房です

 

アトリエわっかで制作中だった革靴

stomp( ストンプ)という名前のサンプル靴もいよいよ完成です

 

靴から木型を抜く姿…

何度見てもなかなか感慨深いものです

 

長い間手間暇かけて作りあげてきたことを思い出す…そんな瞬間

 

ちょっと緊張、そしてワクワクしながらも

木型を抜き

中敷、靴紐を通すと…

 

いよいよ完成です

アッパーには黒のオイルレザーを仕様し

ソールや中敷、靴紐もすべて黒でワントーンに統一した

 

stomp( ストンプ)という名前の靴

 

ライニングと呼ばれる裏革は基本的に使用しておらず

ほぼ一枚革で組み立てているので

履いた瞬間から足が革に包まれている感覚をすごく感じることができます

 

カタくて足に馴染むまでが時間のかかるイメージの

カチっとした一般的な革靴とは異なり

スニーカーのように、普段から気軽に履いてもらえる

そんな履き心地のよい革靴になりました

作ったサンプルのサイズは26.0㎝

 

メンズサイズの靴ではあまり見かけない

まるいつま先に、かなり細身のシルエットが特徴的です

 

シンプルなデザインでどんなスタイルにも合わせやすいように工夫しました

横から、そして後ろから見ると

よりシンプルに見えるかと思います

 

本体は一枚革になっているのでミシンステッチも極力少なくしており

ヒールのカタチもroguekarooとは少し異なり、まっすぐに整えました

 

 

どことなく愛くるしい表情のほぼ一枚革で作られた

stomp( ストンプ)という名前の革靴

 

できあがったサンプルは 小さなお店スペースに並べています

ぜひお近くお越しの際はお試しにいらしてください